2月28日(土)
綿矢りさ『蹴りたい背中』を読む
で、感想文です。
感想文。トラウマです。親に手伝ってもらった感想文が、県まで送られてしまった。はずかしい。作品解説みたいになってしまうのもいやだし。前半、だらだらと書きすぎたと反省しているので短めに。
もうじき、劇団わがままキッドナッパー公演の開演です。お願いしまっすなんて声が聞こえる。若いということは素晴らしい。課題もいっぱいあるんだけれど、2時間半を感じさせずに舞台を引っ張っていく役者陣の力量はあるので、頑張るのだ。
綺麗な文章だと思った。北村想みたいな人とつきあっていると、大抵の文章は鼻で笑ってしまうようになるのだが、ちょっと感服。──存在感のある四つの靴は、磨かれた光沢のある床の上に、四艘の船のように浮かんでいた。──なんて、涙が出る。
物語の説明は、読んでる人も多いと思うので、しない。
自分が感じているほど、他人はあなたを見ていないし、かといって、あなたのことを知らないわけじゃない。という話といってしまえば、それで済んでしまうのかも知れない。しかし、それだけじゃない。この徹底した一人称。中学からの友人絹代への、先輩、先生への、にな川への視線が短い時間でものすごく振れる。その揺れぐあいが心地いい。
男であるから、にな川という男がどのように描かれるかは、気になるところ。オタクという言葉も出てくるし、将来イジメにあうであろう存在であることも匂わせる。しかし、ハツにとってのにな川は、オリチャンへつながるという目的はあるにしても、見かけはともかく、言動は好青年であるし、自分のことを人間の趣味がいいというハツを悪趣味なんじゃない?と、真顔で言い、でも、そういうことを考えてしまうことがわかる気がするといって、何でぃ、超さわやか系じゃん。と、煙にまかれた気分である。この後、問題のシーンがあるのだけれど、それは胸の内にしまっといて・・・
絹代は正義の味方だ。高校で新しい仲間を作って、ハツから離れていく存在として、描かれる。にな川に誘われたコンサートに同行を求めたハツの願いを承諾するのだけれど、その前に、夏休み40コマを全て予定で埋めていく話なんかが入っているから、絹代は、すでに埋まっていた予定の一つを消して、ハツとにな川のために一緒に行ってあげることにした。と思っているほうが何となく楽しい。
『蹴りたい背中』のタイトルは、納得できる気がして読み始めたが、ほんとに蹴るとは思っていなかった。でかい男子の体が前のめりになるほど。うーん、わからん。これだけはわからん。ここが、この恋愛小説におけるSEXシーンです。なんて言葉にして、無理やり納得させようとしたが、それじゃ、身も蓋もない。背中を蹴りたいという欲望は、何回か出てくる。痛がる姿を見たいとも言う。サディズムの話ではない。かなりはっきりと話の中で否定している。実際に蹴るのは二度。二度目はかなり温度差を変えている。自らの足の骨を鳴らしたりする。まだわからない。至る過程は全部書いてあるのに。これがわからないと・・だめだ。
ラストは、なぜか村上龍の「愛と幻想のファシズム」を読み終えた時と同じような気持ちになった。何といっていいかわからない。
扉に戻る。・・・さびしさは鳴る。・・・。
また、ズルズルの文章になってしまいました。マチネももう、半分以上過ぎてる。
物語に合わせて、夏が来るときにもう一度読み返してみようと思ってます。