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12月5日(日)

世の中に記述すべきものなど

すげー、いい天気。昨日は、午後からどんどん雨が降って、公演中の劇団創造の面々にもお客さんにも気の毒であった。

いつまでお父さん気分でいるの!!っと、お叱りを受けたりもするので、よいしょと重い腰を上げているところ。ここが劇場として再スタートしてから知らぬうちに1年経ってしまって、これもまた、知らぬうちに、もう、年末である。
なんとか、1年もったなぁ、11月12月とわりと皆さん借りてくれたおかげで、今年も何とか越せるなぁと。感慨ともため息ともつかない思いしか沸いてこない。100坪の土地を維持するというのは、想像はしていたけれど、何を思い描いていたのかと思うほど、それはそれは大変で、経済は重く重くのし掛かる。たまたま単価が高い技術、と呼べるものかわからんが、そんなものを持っているおかげで、他所で稼いで、こちらへ回す。
仕事自体には熱意も、やりがいもなくて、仕事=お金であるから、それでいいのかもしれないのだけれど、お金の分働くためには、やはり熱意もやりがいも必要なのである。勢い、劇場の管理は、舞台の安藤氏にお任せっきり。せっせとはがれた舞台面をうめたり、公演の時には受付小屋を作ったり、昨日のように雨が降った時は急場ながら、雨対策をしたり。自分のしていることといったら、最初と最後にみなさんを迎え入れて送り出して、すんませんねぇと使用料をいただくこと、あと、客だしの時はできるだけ外に出て、お客さんを観察していることだけである。安藤氏の担当の照明機材は、このレベルの小屋でこれほどは、と思えるほどの充実ぶり。対して、音響機材はナビ時代のまま。いったい、私は何をしているのか!!!!っ。
横浜在住の岡野氏によると、精華小劇場の運営総予算は1,500万円と少ないそう。う、う、うちなんか、その半分で十分おつりが来るぜぃ。と憤る。公というのは、一種暴力である。

私は何をしているのか!!!!っと思っていたら、この間は、あぁ、こんなことをしたかったのであったなぁと、思えるような出来事であった。
いうまでもなく、11月26日〜29日の日程で行われた、越後のちりめん問屋『足から転がる』である。略して「えちどん」という。以前、爆烈K・A劇団の女優たちが自らのことをバカ団と呼んでいたことがあって、説教好きな私は、他人が自分をどう呼ぼうと、それを許すのは構わないが、自らを名乗るときは、略称を使ってはいけないと諭したことがあった。越後のちりめん問屋は光右衛門のことで、えちどんというのは、どうもどんぶりのことらしい。これは、略称とは言えないのではないか。ということで許す。
どうでもいいことはおいといて、仕込みから波乱含み。舞台セットも仕掛けもてんこ盛りのお芝居にもかかわらず、舞監不在という異常な自体。演出家も舞台に上がる劇団であるので、安藤氏も、照明の坂下氏も吉戸君も、もうクルクルであった、らしい。私は例によって、初日が開く昼間は外に出ていたので、のんきに帰ってきて、ありゃりゃんとなったのであった。それでも、奇跡的にということもなく、当然に客入れの30分前にはリハーサルを済ませ、15分遅れて客入れ開始。名古屋の舞台スタッフは優秀なのである。
私も、客席整理と、開演中の花道鳥屋口の幕の解釈を手伝うことにした。ので、本番は見ていない。ぶっつけで手を出したので、坂下氏の台本を借りて首っ引き。といっても、開閉は都合3回しかないのであったが。土曜日の夜、2回目の公演が終わったあと、台本もだいたい頭に入って、みんなを送り出して、なんとなく、せりふを想い起こしていたら、いきなり、嗚咽した。これは・・・
女の子の独り言であった。男である自分は、ただ、傍らに座って、うんうんとうなずいてやることしかできない。そんな、女の子の独り言であった。矢野新美という作家が、あまりに少女チックなお伽話の世界から、ものすごく下世話な性の話題まで、激しく振幅しながら到達しようとしている表現の形。と言ったら、評論に過ぎるか。誰も聞いてくれない(と思っている)想い、だから、言わない(と決めている)言葉。こんな言葉を舞台の上に立っている役者が話し、客席に座っている者が聞いている。彼女たちしかやろうとしなくて、彼女たちしかできないこと。すごい、すごい。

後は、もう、至福の残り2日間であった。また一つ、愛おしい劇団ができてしまった。自分は、何もできないけれど、安藤氏には面倒かけるけれど、やってくしかないと想う。「私」から発せられる言葉、それだけを信じて発せられる言葉に、再び、そして、何度でも出会うために。

最後まで書いて、こういう宣言ぽいのは恥ずかしいと思ったのですが、久しぶりなので、まぁいいかと、そのまま載っけます。タイトルともずいぶん遠くなってしまったようでもありますが、思いの外、外れてもいない気もするのでそのまま・・・。